鍵田忠三郎先生 語録
 かぎたちゅうざぶろう せんせい ごろく

鍵田忠三郎先生語録

1 坐禅
  2 命  3 般若心経・祈り  4 臘八接心  5 大文字行  6 道場  7 誓願  態度  9 酒  10   11 姿  12 贈る  13 槍  14 時計  15 地震雲  16 中国  17 病気  18 書  19 その他

編集:一箭順三

19 その他


 先生に仲人をお願いして暫くしたある日曜日、「今日は嫁さんの実家で餅つきをするので遊びがてら手伝ってきます」と言うと、「今からそれではのー」

 市長時代、先生のされることごとくに批判記事が掲載されていた。「だいたい記者など何も分かっておらん。その分かっておらん者が記事を書くのだからめちゃくちゃだ。新聞を読んで政治をやっていては間違う。」

 人間というのは、無明世界から生まれてきて、映像世界で騒ぎ喜び悲しみ、いろんなことをやって、そしてまた一巻の終わりとなって無明世界に帰っていく。

 無明世界は静かに横たわっておる。これは太古から変わらぬ世界であり、その電気の量は昔も今も同じである。                                      S.55.7.6

 先生にある人が、「もっと奥さんを大事にしてあげて下さい」
 「分らん者が言うもんじゃない。たとえば、家内は園遊会に二度も陛下にお呼びいただいておる。こんな幸せな女子(おなご)が何処におるぞ」

 日曜坐禅会の帰り、トレーニングウエアの人がたくさん歩いているのを見て、この頃早起きが定着してきたようですねと言うと、「早寝早起き運動を実践するようになって、確かにみんな早起きをするようになってきた。」           S.53.2.19

 先生はどんな人にでも、その人の最も良いところを見つけてうまく誉められた。

  わしは若い頃から師匠に恵まれた。谷田文夫、大洞良雲、河口慧海、石原完爾、石田和外・・・

 電気を高めると良いご縁が出来てくる。

  昨日から道場の回りを黒い生まれたばかりのような子犬がうろつきクンクンと大きな声で鳴いていたが、今朝はそのうち声も聞こえなくなった。「昨日から子犬がいて今朝は声も聞こえなくなってしまった。こうして縁あって入ってきた子犬をどうして救ってあげられるのかと考えた。これは犬の事ばかりではない。子犬すらもよう救えんで、と真剣に考えた。これは、私の生活が贅沢すぎるんやなと思う。嫁さんを貰い、家も持つから出来ないのだ。一人で釈尊のとおりの道を行じていたら、来た子犬は救えた。いくら貧乏でも、自分の食べる分を分けてあげれば良いのだから」                               S.53.6.26

  今、奈良市の半分の地域で夜間断水をしている。私は4日の朝2時半に夢を見た。それは水で苦労している夢を3年前にみたのだが、その夢の夢を見た。私はこれで水の心配は峠を越したと思った。皆は台風8号もそれてしまって大変だと思っているようだが、私は解決したと考えた。大事なことは3年前の夢に現れ、それが現実となって現れる。人生の事は総て決まっているのだ。                  S.53.8.7

  神頼みしても雨は降ってくれない。20%節水、夜間断水など必要な手段を講じたとき、雨は降ってくれるものだ。                                  S.53.8.9

 いつもB6サイズの小さなノートを懐に入れておられ、ときどき万年筆でメモしておられた。

  (市長になられてすぐ奈良を日本一火事の少ない街にされた。)火事が起きてから火を消しにいっても火事は減らん。火事をおこさないようにすることが大事だ。と「予防消防」を説かれた。実際、奈良の火事が減ったのである。

 火事の原因はタバコ、ストーブとかいろいろ言いよるが、結局のところ喧嘩が原因だ。夫婦喧嘩などをせんことじゃ。夫婦喧嘩の電気は火花を散らして、火事を起こすんじゃ。

 市長になられて、新平城京の街づくりを政策に掲げられた。それは因縁よる仕事であると言っておられた。「1200年の因縁なんて誰も理解できないのじゃないですか。」「いや、1260年の因縁じゃよ。理解してもらえるもんじゃないよ」と言って大きく笑われた。

 先生が、中央武道場での参禅会のあと参加者に色々なお話しをして下さった。このまま聞き置くだけではもったいないと約3年ほど録音させて頂いた。時々、「今日の話しをすぐテープ起こししなさい。」と言われたが、なかなか実行できなかった。
 先生もしびれを切らされて、「録音ばかりしてどうするつもりだね。わしが死んだら起こすのかね」

 いつも申しますとおり、見の目弱く、観の目強くと宮本武蔵が五輪の書の中で説いておられる。観見のことと言うてね。見というのは見る目ですが、剣道する人は見る目を弱くせないかん。見る目を大きく開いたりしますと心の目が小さくなってしまう。だから見る目を小さく、要するに半眼に開いて見る目を小さくする。そうすると心の目が大きく開いてきよるとこういう訳です。心の目で仕事せにゃいかんと。剣道せないかん。と言うことを説いておられますけど。それを今度は見る目を見の目を閉じてしもたら、観の目だけが開きよると、こういうことになるのでしょうかね。
 壷坂寺の澤市さんもそこのところでしょう。何も、見の目が開いたんでなしに、心の目が開いたんでしょう。だで、心の目でもって総て見る、そういうことがたいへん大事なことでしょうね。                          日曜坐禅教室S.55.11.23



2003.03.08