鍵田忠三郎先生 語録
 かぎたちゅうざぶろう せんせい ごろく

鍵田忠三郎先生語録

1 坐禅
  2 命  3 般若心経・祈り  4 臘八接心  5 大文字行  6 道場  7 誓願  8 態度  9 酒  10 食  11 姿  12 贈る  13 槍  14 時計  15 地震雲  16 中国  17 病気  18 書  19 その他

編集:一箭順三

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 (すき焼きをご一緒したとき、箸でつまんで野菜を鍋に入れようとすると)「手でザッ、ザッと入れろ。」

 (焦げそうになるので箸で返そうとすると)「鍋は箸でこまごまさわらんことじゃ」「焦げますよ」「かまわん」

 中庭で味噌を作っていた時、大豆の煮汁をたくさん捨てねばならないのを惜しまれ、「こんなもったいないことをしてはいけない。これの活用を考えてくれ。それまでは帰るな。」結局考えることが出来なかった。

 話をしていてなにかのことから栢(かや)味噌の話になった。道場長はひらめくことがあったのか「それだ。早速作れ」といわれた。
 私も栢の実を探したが、道場長も探されたようで、実も栢油も大量に確保された。後日奥さんから聞くと、油だけでも10万円程度かかったそうだ。
 さらに、この実の割り方・渋抜き法を調べたところ、「早く味噌を作れ」と矢のような催促が始まった。道場長自身も実の殻を割ってくださった。しかし仕事が忙しく、なかなか取り掛からないのを奥さんが見かねて味噌を作って下さった。
 道場長は、私にこの仕事をさせたかったようで何度も督促されたが、とうとうお元気な間に作ることができなかった。いまだに悔やんでいる。




2003.03.08