禅小話

目次
はじめに 1 音  2 槍の位 3 只今に道を求めて歩む人生 4 大文字行 5 気概  6 お地蔵さん  7 後ろ姿   8 息 9 行儀 10 体で考える 11 馬鹿になる 12 終わりに 13 喫茶店のマスターと脚下照顧 14 宝蔵院胤栄 摩利支天石  15 饂飩(うどん)会について
17 大文字般若心経読誦早朝勤行会 18 饂飩(うどん)会について

17 大文字般若心経読誦早朝勤行会
平成19年7月1日(日)
一箭順三

 「大文字行」は故鍵田忠三郎先生が昭和35年に「大文字送り火」とともに創始された行であります。
 先生は戦争に参加され、終戦を迎えて国に還ってこられました。このとき多くの戦友を亡くし、自分だけが生きて還ってきたことを悔やまれ「残りの人生は、あなたがたを供養するために捧げます」と誓われました。この誓いを実現するため高円山に日本一の大きさの大の字を書き、終戦記念日の8月15日に送り火で英霊を慰霊することとされたのでした。
 さらに、8月1日から15日間般若心経を唱えて英霊を供養する「大文字行」を始められました。これは朝4時から2時間、自宅に隣接する習心館道場に正座して般若心経を唱える行です。この行は体力的にもたいへん厳しい行で、それを先生は毎朝やって来る40-50人もの同行修行者達を率いて毎年欠かさず続けてこられました。そして、平成6年大文字行の初日、8月1日の行を終え同行の私達が帰った後に倒れ、とうとうその年の秋に亡くなられたのです。先生は35回大文字行を続けてこられたことになります。
 先生が亡くなられて以降、小生はご遺志を継いで個人的に自宅で大文字行を続けてまいりました。
 これまではこの行を人様にお知らせし、また呼びかけることについては躊躇いがありました。しかし、たとえお一人でも一日でも勤行に参加してくださる同志がおられるならば、力を併せ英霊のご供養を遂行すべきであるとの考えに至り、今回初めて皆様にご案内させていただくこととした次第です。
 共にこの道にご縁の者同士、精進努力して奈良県出身三万柱の英霊に般若心経を読誦勤行し、8月15日の高円山大文字送り火に奉納させていただきたいと存じます。
 鍵田先生によって始められたこの大文字行も、通算すれば今年で48回目の勤行となります。お互いの徳を積み、般若心経読誦修行のためにもよい機会です。ご縁多数の方々がご参加下さいますようご案内申し上げます。

1 日時   8月1日(水)から15日(水)毎朝4時から6時まで
2 会場   一箭順三 宅内





2007. 7.12