禅小話 日曜坐禅教室は、当時奈良市長であった鍵田忠三郎先生が多くの市民に坐禅を勧めたいとして昭和51年5月中央武道場小道場に開設され、以来卓越した禅境地の指導と温かく大きな人柄に惹かれ多くの参禅者が集い、日曜日早朝の参禅会として開催されてまいりました。 鍵田先生が平成6年10月に亡くなられ、さらに共にご指導くださっていた西川源内剣道九段範士先生も退任され、教室の存続も心配されましたが、参禅者は減る気配もなく約40人の熱心な参禅者に支えられ今日まで続いてまいりました。 鍵田先生が亡くなられてよりは、坐禅後に参禅者による体験談を順番にお聞きしてまいりましたが、昨年夏、今度はお世話している3人が交代でお話しさせていただこうということになりました。私としてはこういう機会を与えられたならば、自分が体で何を考えているのかを確かめたいとの思いもありましたので、話したことをその日の内に記録いたしました。 この冊子は小生の心の記録としてこれを書き貯めたものです。読み返してみますと小生の体の考えとは鍵田先生の教えばかりでありました。しかし先生を生涯の師として長年お仕えし、お陰様で大きなお教えの万分の一でも身に付かせていただいていることが確認されましたことは有り難いことでありました。 未熟な禅体験の話ではありますがお目通し賜りますれば幸いです。 合掌 平成11年3月 一箭順三 目次 はじめに 1 音 2 槍の位 3 只今に道を求めて歩む人生 4 大文字行 5 気概 6 お地蔵さん 7 後ろ姿 8 息 9 行儀 10 体で考える 11 馬鹿になる 12 終わりに 13 喫茶店のマスターと脚下照顧 14 宝蔵院胤栄 摩利支天石 15 饂飩(うどん)会について 17 大文字般若心経読誦早朝勤行会 18 饂飩(うどん)会について |