興福寺奉納演武会

興福寺中金堂御落慶慶讃
宝蔵院流槍術・柳生新陰流兵法
興福寺奉納演武会

A Demonstration of Hozoin-ryu Spearmanship and Yagyu Shinkage-ryu Martial Tactics
In Commemoration of the Dedication of the Central Golden Hall of Kohfukuji Temple
1 主  催   
  奈良宝蔵院流槍術保存会
  (会長 春日大社宮司 花山院 弘匡)

2 後援
  法相宗大本山 興福寺
  日本古武道協会
  日本古武道振興会
  公益社団法人 奈良市観光協会

3 日  時   
  平成30(2018)年10月20日(土)
  13:00〜15:00

4 演武会場   
  興福寺 南大門 基壇 (雨天:東金堂基壇)
  (奈良市登大路町)

 
            

ご祝辞

法相宗大本山 興福寺 貫首 
奈良宝蔵院流槍術保存会 名誉会長 多 川 俊 映

 興福寺におきましては天平の文化空間の再構成を目指し長年の悲願の中核でありました中金堂落慶の運びとなりました。創建当初の興福寺境内の佇まいを回復し、伽藍復興を通じて本来の佛教空間を感得いただき、失われつつある日本人の心を取り戻したいと願っております。
 さらに中世の寺社は人材と文化を育成して、経済・学問・工芸活動などが盛んとなり、能、茶道、華道、醸造技術、武術など、今日、日本の伝統文化と呼ばれている多くは、この時代に確立されました。
諸国行脚中の剣聖上泉信綱師は興福寺宝蔵院に来たり、迎えた宝蔵院胤栄と柳生宗厳は卓越した神技に感銘を受けてともに弟子入りし、各々の流派は創始、発展へと繋がりました。そのご縁が本日の演武会にまで及び、ここ興福寺に日本を代表する槍と剣二大流派が会し、中金堂落慶を慶讃しご宝前にその妙技・神髄をお納めいただきますことはこの上ない慶びであります。
 先人達が心血を注ぎ完成した伝統・文化を後世に確実に伝え継ぐことは、現在に生きる私達の責務であります。また、その道を一心に貫き通すことは仏道・武道に限らずすべての道に通じています。
 本日は両流派の日頃の研鑚をご披露いただきますとともに、奈良の地での交流を通じて切磋琢磨され、日本伝統武道文化の一層の継承発展に寄与されますことをご祈念し祝辞とさせていただきます。
 
ごあいさつ
春日大社 宮司 
奈良宝蔵院流槍術保存会 会長  花 山 院 弘 匡

 興福寺様におかれましては、天平の伽藍復興が着々と推進され、その中 核である中金堂が落慶されました。興福寺における天平の文化空間がここに再現されご縁の私共にとりましてはこれ以上の慶びはありません。
この落慶を慶讃し、宝蔵院流槍術は共に奈良が発祥の盟友である柳生新陰 流兵法様を迎え共に演武を奉納させていただきます。
 興福寺奉納演武会も回を重ね第28回目を迎えることができました。毎年多くの皆様のご観覧を得て、春の春日大社奉納演武会とともに、当流派最大の奉納演武会として古都奈良の秋の恒例行事として全く定着した感がございます。
 奈良を発祥地とする宝蔵院流槍術は石田和外先生や元奈良市長・鍵田忠三郎師の強い熱意と、西川源内・鍵田忠兵衛・一箭順三歴代宗家の懸命なご指導により、今では奈良本部道場を中心に、大阪、名古屋、ドイツにも道場を開き、伝習者は総勢100名を超える一大流派として発展しつつあります。長年に亙る弛まぬご精進に敬意を表し、さらに継承・発展への活動を継続されている流儀に対し、私共も一層の努力を惜しまぬ所存です。
私ども保存会といたしましても、興福寺様、一箭宗家、関係各位のご協力をいただきながら、多くの市民の皆様と共に、奈良が誇るべき文化であるこの槍術を永く後世に伝え広め、一層の顕彰と普及発展に尽力してまいりたいと考えております。

 本日は政府による日本文化発信のジャポニスムのために春日若宮おん祭をパリへ連れて行っており、慶讃の演武奉納へ参列が叶ないこと、大変残念であります。
 
ごあいさつ
宝蔵院流高田派槍術 第二十一世宗家 一箭 順三

 興福寺様におかれましては、天平の文化空間の再構成をめざして長年の悲願であられます中金堂が300年ぶり再建、このほど落慶されました。流祖胤栄師も法要を営み、堂前でも稽古をされていたであろう中金堂の完成は、興福寺様とご縁を結ばせていただいております私どもにとりましてもこれ以上の喜びはございません。
 この中金堂御落慶を慶讃し、450年来の盟友である柳生新陰流兵法様ともに一般拝観初日の10月20日に演武を奉納させていただく運びとなりました。これも偏に多川俊映興福寺貫首様をはじめとする興福寺様のご理解、ご助力の賜と深く感謝申し上げます。
 興福寺奉納演武会は、前宗家の鍵田忠兵衛先生が第二十世宗家を継承された平成3年に始まり、以後毎年奉納させていただき今年で第28回を数えるに至りました。お陰様で今では多くの皆様にご支持いただき、今では古都奈良秋の風物詩として定着してまいりました。
 私ども宝蔵院一門は、脈々と続く宝蔵院流槍術の心と技を欠くことなく後世に確実に伝え広めるため、懸命に稽古を重ね一年間の精進の精華を中金堂釈迦如来様仏前に御供えさせて頂きます。日本を代表する奈良発祥の槍と剣、二大流派による演武会を通し古武道の神髄を少しでもご堪能していただければ幸甚です。
今後とも宝蔵院一門、精進努力を重ね、興福寺様の歴史と共に宝蔵院流槍術を後世永遠に伝承してまいる所存であります。今までにも増して皆様方のご支援ご協力をお願い申し上げる次第です。
なおこの演武会では毎回、演武奉納に先立ち般若心経・唯識三十頌を読誦奉納頂いています。今回も、その経本をプログラムに挿入させて頂きました。興福寺多川貫首様のご導師に唱和し、観客の皆様も共に大きな声で読経下さいますようご案内します。
 最後になりましたが、興福寺様をはじめ関係皆様に感謝と御礼を申し上げ、本奉納演武会開催のご挨拶とさせていただきます。

ごあいさつ
柳生新陰流兵法 第二十二世宗家 柳生耕一平厳信
            
 この度は、興福寺様におかれましては中金堂の御落慶にあたり衷心よりお慶び申し上げます。
 柳生石舟斎と新陰流兵法を共に学んだ宝蔵院胤栄を流祖とする宝蔵院流槍術の一箭順三宗家様とのご縁により、興福寺中金堂御落慶慶讃、興福寺奉納演武大会にお招き頂き誠に有り難く、光栄に存じます。
 約450年前石舟斎は興福寺子院の宝蔵院にて宝蔵院胤栄立会いのもと新陰流流祖上泉伊勢守藤原信綱と面会し試合をして新陰流に直ちに入門しました。今般、中金堂が再建され、当時の人々と同じ光景を目にしていると思うと感慨深いものがあります。
 この再建は唐の文化や仏教、古事記や万葉集など多様な文化を含む天平文化が、鎌倉幕府の成立に始まる武家文化の本にあることを今日の私達に思い起こさせる機会となり、古都奈良の街が持つ大きな意義を再認識させることになると思います。
 およそ1000年前、藤原頼通が大柳生庄・塚原庄・戸馳庄・小柳生庄の四箇庄を春日社の神料の地として寄付したとあります。それ以来私共の祖先は柳生谷に居住してきましたが、石舟斎の孫の兵庫助利厳は、尾張藩初代藩主徳川義直公の兵法師範となり、尾張に居を移しました。
 近年、一箭宗家様とのご縁で春日大社様の第六十次式年造替奉祝奉納演武、おん祭参加そして春季奉納演武に奉仕させて頂いております。江戸年間、尾張柳生家は柳生谷の芳徳寺の参拝を控えていたと聞いております。時を経て、このように先祖の所縁の地とのご縁が少しずつ深まってきており、石舟斎の時代の国人としての郷土愛を共有できますことを有り難く思っております。
 宝蔵院流槍術様と共にこの歴史的な事業の慶讃に参加できますことを御礼申し上げます。

5 次  第   
  1 読誦奉納        
    般若心経・唯識三十頌
 


 2 演武奉納
   柳生新陰流兵法

    三学円之太刀
       永井一彰・川崎元士

    相雷刀八勢法
       岡本龍二・水越義広

    中段十四勢法
       数納英昭・折居一男

    九箇之太刀
       鶴田竜次・西川裕之

    燕飛之太刀
       野村明徳・柳生耕一
 

    宝蔵院流高田派槍術
     宝蔵院流高田派槍合せの型 表

      鎌槍 免許 土屋明洋
      素槍 免許 鈴木誠
 
      鎌槍 免許皆伝 長田眞男
      素槍 免許皆伝 美馬博幸
 
     宝蔵院流高田派槍合せの型 裏
      鎌槍 免許皆伝 尾野好司
      素槍 免許皆伝 若林幹雄
 
      鎌槍 免許皆伝 粕井隆
      素槍 免許皆伝 榎浪伸和
 
     宝蔵院流高田派槍合せの型 新仕掛
      鎌槍 宗家    一箭順三
      素槍 免許皆伝 前田繁則,
 
  3 摩利支天石法要
 
 
   

報道
朝日新聞 (2018.10.21)

興福寺中金堂御落慶慶讃
宝蔵院流槍術・柳生新陰流兵法 興福寺奉納演武会
(2018.10.20)

 月刊「武道」2018.12月号 興福寺中金堂御落慶慶讃 宝蔵院流槍術・柳生新陰流兵法 興福寺奉納演武会

第27回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2017.9.16)
 Facebook 行列(本坊〜東金堂)   (2017. 9.16) 
 Facebook 読誦奉納          (2017. 9.16) 
 Facebook 奉納演武会        (2017. 9.16)
 Facebook 摩利支天石        (2017. 9.16)

第26回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2016.9.24)
 Facebook 読誦奉納   (2016. 9.26) 
 Facebook 奉納演武会 (2016. 9.26)
 Facebook 摩利支天石 (2016. 9.26)

第25回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2015.9.26)


第24回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2014.9.27)

第23回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2013.9.28)

 月刊「武道」2013.11月号 興福寺奉納演武会 掲載

第22回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2012.9.29)


第21回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2011.9.24)

興福寺創建1300年・平城遷都1300年祭 協賛
古武道興福寺奉納演武大会        (2010. 9.25)


第19回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2009.9.19)

第18回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2008.9.27)

宝蔵院覚禅房胤栄師没後400年記念
興福寺 古武道奉納演武大会       (2007.10.07)


第16回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2006.9.30)

第15回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2005.9.24)
朝日新聞(05.09.25)掲載

第14回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2004.9.26)

第13回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2003.9.20)

第12回 宝蔵院流槍術興福寺奉納演武会(2002.9.28)

第10回 宝蔵院流槍術興福寺演武会記念
興福寺古武道奉納演武会         (2000.10.08)    

2018. 9. 3
2018. 7.23