第5回 宝蔵院流槍術・柳生新陰流兵法
春日大社奉納演武会

宝蔵院流槍術
 流祖・胤栄(1521-1607)は奈良・興福寺の僧。武芸を好み、槍の修練に努め、ついに鎌槍を工夫し、宝蔵院流槍術を創めました。
 宝蔵院流槍術の槍は、通常の真直ぐな素槍に対し、鎌槍と称する十字形の穂先に特徴があります。この宝蔵院流鎌槍は攻撃と防御に優れた画期的な武器として全国を風靡し、日本を代表する最大の槍術流派へと発展しました。
 伝えられた技の総てを春日大神様ご神前に奉納させて頂きました。

柳生新陰流兵法

 新陰流流祖、上泉伊勢守信綱より、柳生石舟斎宗厳が一国一人印可状を授かり、当流は創まりました。7人の尾張藩藩主と14人の尾張柳生家当主により伝えられ現在に至ります。なお、遠祖は春日社の社人でもあり、石舟斎はおん祭りにも関わっていました。
 心身ともに「無形の位」を本体とし千変万化する相手を明らかに観て、その働きに従って無理なく転変して勝つ「活人剣」を特徴とします。
 流祖から伝わる、三学円之太刀、九箇之太刀、燕飛之太刀、そして、身体を錬磨するために江戸時代に整えられた試合勢法を演武いたしました。

 諸国行脚中の上泉信綱師は、永禄6(1563)年、興福寺宝蔵院に逗留されました。宝蔵院で上泉信綱師を迎えた柳生宗厳と宝蔵院胤栄は卓越した神技に感銘を受け、ともに上泉師に弟子入り、各々の流派は創始、発展へと繋がっていきます。
 両流祖が上泉伊勢守信綱師の兄弟弟子であり、興福寺・春日社にご縁両流の春日大社における演武は特に意義深い奉納となりました。
主催 奈良宝蔵院流槍術保存会
  
 会長 春日大社宮司 花山院弘匡

日時
 平成31(2019)年4月13日(土)14:30〜

会場 春日大社
     630-8212奈良市春日野町160
     TEL.0742-22-7788


観覧  自由・無料

次第
14:30 正式参拝
14:40  演武奉納:林檎の庭
         
(雨天:幣殿・舞殿にて)
 柳生新陰流兵法 奉納
       
      三学円之太刀
       折居一男 紀之崎剛

      相雷刀八勢法
       世良浩志 川崎元士

      中段十四勢法
       今村寛  道吉哲 

      九箇之太刀
       西川裕之 鶴田竜次

      三学円之太刀
       折居一男 紀之崎剛

      相雷刀八勢法
       世良浩志 川崎元士
    
      燕飛之太刀
       野村明徳 柳生耕一厳信

      説明者:永井一彰
       










模擬槍の制作
 宝蔵院流の鎌槍は、相手の槍柄を引き切り、また床に打ち落とすなどの技が多く、真槍での演武が困難です。
 このため平素の稽古や演武披露は、創流以来樫製の稽古槍を使用してまいりました。
 今回、花山院弘匡奈良宝蔵院流槍術保存会会長(春日大社宮司)のご提案により「模擬槍」を制作し、「宝蔵院流槍術の技術説明」において初めて披露・使用しました。
 宝蔵院流の技法が理解しやすくなったと好評をいただきました。
15:10
 宝蔵院流高田派槍術 奉納
  宝蔵院流高田派槍合せの型 表
   鎌槍:免許 半田
   素槍:目録 森邦茂

   鎌槍:免許 高橋英樹
   素槍:免許 駒喜多学

  宝蔵院流高田派槍合せの型 裏
   鎌槍:免許皆伝 美馬博幸
   素槍:免許    土屋明洋

   鎌槍:免許皆伝 粕井隆
   素槍:免許皆伝 若林幹雄

  宝蔵院流高田派槍合せの型 新仕掛
   鎌槍:宗家   一箭順三
   素槍:免許皆伝 粕井隆

  司会:目録 船谷哲司

H31(2019). 4.13 宝蔵院流槍術・柳生新陰流兵法 春日大社奉納演武
H30(2018). 4.14 創建1250年記念宝蔵院流槍術・柳生新陰流兵法 春日大社奉納演武会
H29(2017). 4.22 宝蔵院流槍術・柳生新陰流兵法 春日大社奉納演武会
H28(2016).11.26 第六十次式年造替 正遷宮奉祝 柳生新陰流兵法・宝蔵院流槍術 春日大社奉納演武会
H28(2016). 4.16 第六十次式年造替奉祝 柳生新陰流兵法・宝蔵院流槍術 春日大社奉納演武会
H27(2015). 4.25 第六十次式年造替奉祝 宝蔵院流槍術 春日大社奉納演武会
H24(2012). 6. 9 宝蔵院流高田派槍術第二十一世宗家就任報告春日大社正式参拝並びに演武奉納の儀
H15(2003). 4. 7 春日大社 若宮御出現一千年奉祝大祭「奉祝祭第三日ノ儀」古武道奉納演武

2019. 4.16
2018.12.22