第20回 全日本東西対抗剣道大会
公開演武
宝蔵院流高田派槍合せの型

第20回 全日本東西対抗剣道大会
昭和49(1974)年 9月29日(日)9:00-
奈良市中央体育館

主催 財団法人 全日本剣道連盟
    奈良県・奈良県教育委員会
    奈良市・奈良市教育委員会
後援 NHK奈良放送局・読売新聞大阪本社
主管 奈良県剣道連盟
第二十回全日本東西対抗剣道大会ご挨拶
奈良市長・奈良県剣道連盟会長 鍵田忠三郎


 第20回全日本東西対抗剣道大会を、この奈良市で開催することができ、木村篤太郎名誉会長、石田和外全日本剣道連盟会長をはじめ、全国より当代最高の剣士の皆さんを多数お迎えすることができ得ましたことは、奈良市長として、奈良県剣道連盟会長として、心より嬉しく存ずるところであり、衷心ご歓迎申し上げる次第でございます。
 又、この大会に於いては特に奈良県出身であります木村篤太郎名誉会長が89才の高齢にもかかわらず、この道一筋八十年修練の興国の居合を身を以て、お示し下さいますし、石田和外全日本剣道連盟会長が由緒の宝蔵院流槍術の形をこれ又自らご演武下さいます。実にこれ稀有のことであり、求道のきびしさに、改めて襟を正すと共に、東西対抗剣道大会の奈良で開かれる大きな意義をかみしめねばならないと存じます。
 奈良の地はご承知のように、柳生流発祥の地であり、宝蔵院流槍術の発祥の地でもあります。そして、千手院、包永等日本刀、創始の地でもあり、天皇家を護った物部、大伴、佐伯氏の盤踞した土地柄でもあります。
 この武道由緒の奈良の地に、奈良市立中央武道場を全国一の規模の道場として、木村篤太郎先生ご指導の下に、一剣興国の精神を以て開設させていただいた、その機に、全日本東西対抗剣道大会を開催させてもらったわけでございます。
 歴史は繰り返すと存じます。奈良の地は、民族の心のふる里でもありますが、柳生の剣、宝蔵院の槍を訪ねて往来した武芸者の数は、おびただしいものがあったと存じます。
 因縁の道に従って、又、多数の武道の士が、この東西対抗大会の開催、鴻の池道場の開設を機に、この武道由緒の奈良の地に里帰えりを願い、多数ご参加いただいたのであります。
 この意義ある大会に選手として、東、西両陣営に選ばれました代表剣士の皆さま方には、技倆よりも伝統の心の剣をからだで以て、お示しいただき、生涯の思い出として、求道の資としていただきたいと存じます。
 地元の剣道連盟会長として、準備万端不行届きでありますが、この大会開催にいたるまでの関係各位のご協力とご労苦に感謝申し上げ、本大会の心豊かなる成功を願い、一言大会の意義の一端を申し述べて歓迎のご挨拶といたします。

大会次第
 演武
  日本剣道形

   打太刀  範士八段 萩信俊
   仕太刀  範士八段 西川源内

 金春流能楽
  金春信高 他

 居合
  全日本剣道連盟名誉会長
  木村篤太郎

 宝蔵院流高田派槍合せの型
  全日本剣道連盟会長 石田和外
                坂西太郎
                山崎拓

公開演武
居合

 全日本剣道連盟名誉会長
 木村篤太郎

宝蔵院流高田派槍合せの型
 鎌槍
  全日本剣道連盟会長
  石田和外
 素槍
  坂西太郎
  山崎拓

日本剣道形
 打太刀
  範士八段 萩信俊
 仕太刀
  範士八段 西川源内
  


「宝蔵院流槍術、再興」夕刊フジ 掲載 (S51(1976).3.12)
奈良市民だより「宝蔵院流槍術 奈良へ帰る」掲載 (S51(1976).7.15)
NHKテレビ「近畿の話題 奈良」よみがえった宝蔵院流の槍 (S52(1977).1.23)
発祥の奈良の地に蘇えった宝蔵院流十文字鎌槍のいきさつ (S53(1978).7)
宝蔵院流槍術 奈良への里帰り (H21(2009).9)
石田和外先生 ご愛用稽古槍 受贈 (H21(2009).11.25)
宝蔵院流高田派槍術 第十八世宗家 石田和外先生ご愛用稽古槍の受贈 (H22(2010).5)

2012. 5. 7