月刊「剣道時代」300号記念総力特集

第1部「・・・拡げて説けや 人道として」
本紙創刊号を飾った剣道家九人の愛蔵品

(石田和外 榎本正義 小川忠太郎 小沢丘 木村篤太郎 笹森順造 佐藤寒山 佐藤忠三 中野八十二)
月刊「剣道時代」平成9(1997)年7月号

石田和外 第二代全剣連会長

明治36年福井市出身。元最高裁判所長官。一刀正伝無刀流の第五代宗家を継ぐ一方、一高時代に学んだ宝蔵院流槍術の形が失われることをおそれ、宝蔵院流発祥の地・奈良市の有志にこれを伝えた。昭和49年3月、第二代全剣連会長に就任。爾来5年2ヶ月の間に「剣道の理念」と「剣道修練の心構え」を制定して正しい剣道の普及に努められた。

 柳生流剣法、宝蔵院流槍術の発祥の地として、また天国、千手院、包永等日本刀創始の地として知られる奈良市に全国一の規模を誇る中央武道場が完成し、その竣工祝賀式が9月28日、同道場に関係者多数を招いて行われた。
 昭和48年11月26日に着工して以来9ヶ月を要した近代的道場は、奈良市長鍵田忠三郎氏(奈良県剣道連盟会長)により「鴻の池道場」と命名され、低料金で市民に開放される。
 「一剣国を興す」を精神とする新道場に魂を入れるため、居合、槍の形、模範試合などが行われたが、なかでも全剣連名誉会長による居合は、これまで大衆の前で行われたことはなく、はじめて公開されたものである。


 
宝蔵院槍の形を行う全剣連石田会長(右)

奈良市中央武道場竣工祝賀式
昭和49(1974)年9月28日



2003/04/24