宝蔵院流槍術 初の女性入門 月刊「武道」 平成29(2017)年6月号 宝蔵院流高田派槍術 第二十一世宗家 一箭順三 |
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宝蔵院流槍術は、男性のみによる稽古伝習の伝統を改め、平成29年4月、初めて女性伝習者の入門を受け入れました。 宝蔵院流槍術は460年前に興福寺宝蔵院の僧胤栄が創始した奈良が発祥の武道です。宝蔵院流の槍は、通常の素槍に対し鎌槍と称する十文字型の穂先に特徴があります。鎌を活かした槍は攻防に優れ、最大の槍術流派として発展しました。 その稽古槍は素槍(3.6m:2.5s)・鎌槍(2.7m:2.1s)と長く重い槍を使用し、男性のみで稽古をしてまいりました。それでもここ数年「女性は習えないのか」との問い合わせが来るようになりました。 興福寺の僧が創始し、その後、武家に広まった流儀のゆえから男性のみ伝習の伝統が定着し、私共はそれを頑なに守ってまいりました。しかし女性入門希望に対し「伝承の経緯から」だけの理由では断るのには違和感が募ります。昨年末、皆伝師範会議で話し合った結果、「槍を持てさえすれば稽古ができる」「男性のみに限る必要はない」と全員一致で女性の受け入れを決めた次第です。 こうして本部道場であるならでん武道場(奈良市中央武道場)4月期伝習者を募集したところ、女性3名を含む10名が入門しました。4月期生の指導は、免許皆伝・前田繁則師範が専属で三ヶ月間を担当し、構え・歩き方・突き・引落(ひきおとし)・巻落(まきおとし)などの基本技術カリキュラムをマスターし、そして徐々に先輩達と一緒に型稽古を始めていただきます。 今後とも槍の長さ・重さや技を変更するつもりはなく、「変えるところ、変えないところ」をしっかり見極め、伝統を守りつつ稽古に精進し、伝習者の育成に尽力してまいりたいと考えています。 460年伝統の古武道 宝蔵院流槍術にとって、4月1日の女性入門は歴史的な日となりました。 |
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男性と男性と一緒に宝蔵院流槍術の稽古をする女性入門者 |
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2017. 4. 2 宝蔵院流槍術 女性入門:朝日新聞・産経新聞 2017. 4. 1 宝蔵院流槍術 奈良本部道場 4月期生入門 2017. 3.13 朝日新聞:英字版 2017. 3.13 朝日新聞 |
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2017. 6. 2