奈良発祥の武道「宝蔵院流槍術(そうじゅつ)」のけいこ始めが12日、奈良市の市中央武道場であった。門下生ら約35人がけいこ着に身を包み、引き締まった表情で取り組んだ。 興福寺の僧、胤栄(いんえい)が約450年前に始めたとされる。先が十文字形になった約3メートルの「鎌槍(かまやり)」を用い、突いたり巻き落とすなど多彩な技がある。 2人1組で向かい合い、「突き」など基本動作の練習に打ち込んだ。師範の榎波伸和さん(67)=奈良市=が「ぞうきんを絞るように持って」とアドバイスすると、「ヤッ」とかけ声を上げていた。入門4年目の松井典夫さん(67)=浜松市=は「身が引き締まる思い。汗を流し、真摯(しんし)にけいこに取り組むのが今年の目標」と笑顔で話した。【石田奈津子】
奈良発祥のやりの流派「宝蔵院流」のけいこ始めが、奈良市で行われました。 宝蔵院流は、およそ450年前の戦国時代に奈良の興福寺宝蔵院の僧りょ・胤栄が始めたとされるやりの流派で、この流派の使い手が剣豪、宮本武蔵と戦ったとも伝えられています。 奈良市中央武道場で行われたけいこ始めには、宝蔵院流の保存会の人たちなどおよそ30人が参加しました。 宝蔵院流のやりは先が十文字型になっているのが特徴で、突くだけでなく相手の武器を絡め取ったりなぎなたのように横に払ったりする動きもあります。参加した人たちは2人ひと組になって技の繰り出し方や相手との距離の取り方を確認しあいながら、繰り返し型の練習をして今年1年の上達を願っていました。 参加した男性は「寒いですがけいこ始めは身が引き締まります。体だけでなく心も鍛える機会にしたいと思います」と話していました。
2008/ 1/ 13