古来の槍術「宝蔵院流槍術」の稽古(けいこ)始が6日、奈良市法蓮佐保山の市中央武道場で行われ、稽古後には戦国時代から伝わる「狸汁(たぬきじる)」が市民らにふるまわれた。 狸汁は流祖・胤栄(いんえい)師の時から稽古始にあわせて市民らにふるまわれており、約450年の歴史を持つと伝えられている。 当初は狸の肉を使っていたが、現在は歯ごたえの似たコンニャクを代用。ダイコンやニンジン、ゴボウなどの冬野菜と一緒にみそでじっくりと煮込む。 この日は伝習者35人が稽古に励む一方で、直径約80センチもある大鍋で狸汁を調理。雨も降る厳しい冷え込みの中、訪れた市民らは白い息を吐きながら狸汁をすすり、体を温めていた。
奈良の伝統武道「宝蔵院流槍術」の新年けいこ始めが6日、奈良市中央武道場であり、参加者らの気合がこもった声が道場内に響き渡った。 宝蔵院流槍術は、興福寺の僧・覚禅房法印胤栄(いんえい)が約450年前に始めた流派。十文字型の穂先「鎌槍」を使って巻き落としたり、切り落とす多彩な技が特徴。現在は奈良、大阪、名古屋の各道場で計約100人が技を鍛錬している。 午前10時から始まったけいこには約40人が参加。大声を上げながら約2時間、形のけいこに汗を流した。けいこの後、こんにゃくと野菜を煮込んだ精進料理「狸(たぬき)汁」が振舞われた。 今年は流祖・胤栄の没後400年にあたるため、10月に興福寺で古武道奉納演武大会も開かれる予定という。【曽根田和久】
2007/ 1/ 7