全日本銃剣道大会




連盟創立50周年記念

第14回全日本銃剣道選手権大会 宝蔵院流槍術演武


主 催  (社)全日本銃剣道連盟

日 時  平成18(2006)年8月4日(金)
       10:00〜15:30

演 武  宝蔵院流槍術演武
       12:40-13:00
       
会 場  日本武道館
       東京都千代田区北の丸公園2−3
       TEL.03-3216-5924

観 覧  無料


1 宝蔵院流槍術概要説明           
  宗家代行 一箭順三


 日本銃剣道選手権大会の開催おめでとうございます。本日は、全日本銃剣道連盟創立50周年を記念して宝蔵院流槍術をお招きいただきありがとうございます。宝蔵院流槍術の発祥地・奈良より4名でやってまいりました。
 ご紹介を頂きました私は、宝蔵院流高田派槍術宗家代行を務めております一箭順三と申します。演武に先立ち貴重な時間をお借りして宝蔵院流槍術の概要をご説明させて頂きます。

 宝蔵院流槍術は、興福寺の子院・宝蔵院に住んでいた覚禅房胤栄がおよそ450年前に創始した奈良が発祥の武道であります。一方、剣では柳生新陰流が有名ですが、これも柳生石舟斎師によって奈良・柳生の里で創始されています。つまり、日本の古武道を代表する二つの流派が奈良で生まれたということになります。
 もともと、石舟斎師と胤栄は若い頃からの修行仲間でありました。そして上泉伊勢守師が全国を行脚し、奈良訪問の折りには共に弟子入りして剣の指導を受けたのです。つまり二人は上泉師の兄弟弟子に当たります。石舟斎師は新陰流相伝を伝授され、後に柳生新陰流を興し、胤栄は槍術に特化して宝蔵院流槍術を創始した訳です。

 そして、石舟斎師は1606年、宝蔵院胤栄は1607年に相次いで逝去されました。本年は石舟斎師没後400年、来年2007年は胤栄没後400年、そして、2008年は伊勢守師生誕500年と、上泉師に関わる武道各流派が重要な節目の年を迎えるということになります。
 宝蔵院流槍術においても、胤栄没後400年の来年・平成19年を意義ある年とすべく、記念諸事業を鋭意企画検討中であります。来年には記念事業を開催いたしますので、是非、奈良へお運び下さいますようご案内申し上げます。


 さて、宝蔵院流の槍は、通常の真っ直ぐな素槍に対し、鎌槍と呼ばれる十文字形の槍先に特徴があります。この鎌槍を活かして、突くばかりでなく、巻き落とす、切り落とす、打ち落とす、摺り込むなど、攻撃と防御に優れ、「突けば槍 薙げば薙刀 引けば鎌 とにもかくにも外れあらまし」とうたわれ、やがて全国を風靡し、日本を代表する最大の槍術流派へと発展しました。
 宝蔵院流槍術は、吉川英治の小説「宮本武蔵」やNHK大河ドラマ「武蔵」にも登場し、よく知られているところです。現在では鍵田忠兵衛衆議院議員・奈良県銃剣道連盟会長が第20世を継承し、宗家の指導のもと、約80名の伝習者が、奈良市中央武道場や、東大阪市、名古屋市の各道場において稽古に励んでおります。

 先生方が稽古されております銃剣道は宝蔵院流槍術の技を取り入れ、転化して完成されたとお伺いいたしております。本日は、伝えられております宝蔵院流高田派槍合せの型のうち、表7本、新仕掛7本を演武させていただきます。これは先程申しました「巻落」「引落」「摺込」「柄返」などの基本的な技が全て入っております。私共の演武に銃剣道の原型を発見頂ければ幸いであると考えております。







2 宝蔵院流槍術演武
         
1 宝蔵院流高田派槍合せの型 表
          
  鎌槍 免許皆伝 粕井 隆

           素槍 免許      長田眞男


2
宝蔵院流高田派槍合せの型 新仕掛
           鎌槍 宗家代行 一箭順三

           素槍 免許皆伝 前田繁則












2006.08.06