宝蔵院流槍術顕彰碑
 ほうぞういんりゅうそうじゅつ けんしょうひ

宝蔵院流槍術顕彰碑除幕式


宝蔵院流高田派槍術
第二十世宗家 鍵田忠兵衛
平成15年1月

 宝蔵院流槍術は、宝蔵院流槍術顕彰碑を宝蔵院跡である奈良国立博物館構内に建立いたしました。
 宝蔵院流槍術は、約450年前の興福寺子院のひとつ宝蔵院の僧・覚禅房胤栄が猿沢池に浮かぶ三日月を突き鎌槍の技を創始したと伝えられ、やがて全国を風靡するまでに発展いたしました。
 しかし、宝蔵院の建物・道場は明治初年の廃仏毀釈の際に取壊され、敷地は後に奈良国立博物館構内となりましたため、今では地元でさえもその所在を知る人が少なくなり、たいへん残念に思っておりました。
 このため私どもは、奈良宝蔵院流槍術保存会役員と相談し、宝蔵院流槍術顕彰碑の建立を市民に呼びかけ寄付を募り、多くの支援者のお力添えを得て、ようやく顕彰碑は平成14年12月16日、奈良国立博物館旧館西側に建立させていただくことが出来ました。
 当日は保存会役員・会員、ご縁の方々など多くのご出席をいただき、除幕式を挙行させていただきました。式典では松岡泰夫保存会会長の挨拶に続き、ご来賓を代表して宝蔵院ご縁の多川俊映興福寺貫首、大川靖則奈良市長、宝蔵院跡地ご縁の鷲塚泰光奈良国立博物館長からのお祝いのご挨拶に続いて、中曽根康弘衆議院議員の祝電をご披露させていただきました。
 さらに除幕には大瀧重興NHK奈良放送局長、横井健二奈良市武道振興会理事長と私が加わり七名にて序幕の綱を引き、最後に宝蔵院流槍術宗家として御礼の言葉を申し上げました。こうして顕彰碑は多くの方々に祝われ、賑々しく除幕式を終えさせていただきました。
 顕彰碑は幅1.5メートル、高さ1メートルの花崗岩に興福寺の多川俊映貫首様に「興福寺宝蔵院跡 宝蔵院流鎌槍発祥之地」とご揮毫いただき、由来は銘版に刻みました。
 私どもは、多くのご縁皆様のお力で建立させていただいたこの顕彰碑によって、奈良が誇るべき槍術文化である日本有数の槍術発祥地を明らかにして周知を図り、後世の人々にも永く伝え継がせていただきたいと考えております。
 また、本年1月から始まりましたNHK大河ドラマ「武蔵」には奈良の柳生新陰流剣術や宝蔵院流槍術が数多く登場します。「武蔵のこころのふるさと・奈良」を訪れる観光客への道しるべとしてのお手伝もさせていただけることと存じます。
 私共はこうした絶好の機会を活かし、大切な伝統文化であるこの奈良発祥の武道を後世に確実に伝え広めるため、今後とも一層の精進させていただきますとともに、継承発展への努力を惜しまず尽力してまいる所存です。



宝蔵院流槍術顕彰碑建立













                                          

2003.03.01